位牌
位牌とは、死者の戒名、法名を記した木牌のことです。
種類は、葬儀の時に使用される白木の野位牌、四十九日の忌明け後に仏壇に祀られる本位牌(塗位牌、唐木位牌)、寺院内や寺院位牌堂で用いられる寺院位牌などがあります。
葬儀の際に用いる白木の内位牌は仮の位牌です。四十九日法要までに本位牌に作り変えて住職に魂入れをしていただいた後で仏壇に安置しますので、仏壇のない家はそれまでに仏壇の手配が必要となります。
戒名の文字入れには約2週間かかりますので早めにご相談下さい。
- 戒名とは
-
位牌には没年月日、俗名の他に戒名の文字入れが必要です。
本来の戒名とは出家して仏様の弟子となった人に生きているうちに授けられる名のことですが、一般の人は生前に出家したり仏の教えに深く関わることはないため生きている間に戒名を授かることはあまりありません。
時代が変わり、今では一般の人が亡くなった後でも、仏様の弟子として菩提寺などから「戒名」を授ける(没後作僧)ようになりました。
戒名は宗派別に呼び方が異なり、浄土真宗では法名、日蓮宗系(日蓮正宗を除く)では「法号」という名称が使われます。
- ①院号・院殿号
- 元々は天皇や、将軍家の戒名として用いられていました。その後は寺院や社会に多大な貢献をした人や身分の高い人にも贈られるようになりました。院殿号は武家や大名に多く用いられたとされ、現在では院号より高貴な尊称とされています。
- ②道号
- 戒名の上に付けられる名前で、修行を修めた禅宗の僧侶を敬意を込めて別名(号)で呼んだことから始まります。趣味や人となりなど、故人に縁のある文字を使用することが多いです。浄土真宗の法名には同号はありません。日蓮宗では日蓮上人の名にちなんだ日号を付けます。
- ③戒名
- 本来はこの2文字が「戒名」にあたります。生前の名前から一字をとって入れることが多いです。元々は「仏教徒の戒律を守る事を誓った人に授ける名前」という意味でした。
- ④位号
- 戒名の下につけられる性別や年齢、社会貢献度などの位を表す文字。
居士(成人男性)や大姉(成人女性)といった位号があります。
浄土真宗では位号を付けません。(地域により違います)
代表的な位号
大居士・清大姉 | 成人男性・成人女性 ※主に院殿号に用いられます。 |
---|---|
居士・大姉 | 成人男性・成人女性 |
禅定門・禅定尼 | 成人男性・成人女性 居士・大姉に次ぐ格式がある。 |
信士・信女 | 成人男性・成人女性 |
童子・童女 | 15歳未満の子供 |
幼子・幼女 | 小学校に上がる前までの子ども |
孩子・孩女 | 2~3歳までの幼児 |
嬰子・嬰女 | 乳児 |
水子 | 死産児 |
宗派別戒名
- 真宗・浄土真宗
-
戒名ではなく「法名」と呼ばれます。法名の上に「釈(釋)号」を付け、釈(釋)△△とします。
- 真言宗
-
院号の上に大日如来を表す梵字を入れます。
- 浄土宗
-
浄土宗の戒名には、生前に「五重相伝」と云う行を受けた人だけに授けられる「誉号」を付ける場合があります。「△誉□□」となります。
- 日蓮宗・法華宗
-
日蓮宗の場合は日蓮聖人の名に因んで「日号」と呼ばれます。「日」(男性)、「妙」(女性)といった
文字が使われます。
- 天台宗
-
院号の上に大日如来を表す梵字を入れることもあります。
- 禅宗(曹洞宗・臨済宗)
-
臨済宗の戒名には2字・4字・6字と、他の宗派に比べて豊富です。
曹洞宗では戒名は2文字が原則となります。